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ブルちゃんのログ


神戸と石垣島にあるダイビングとネイチャーツアーのお店、ブルミンゴの公式ブログも兼ねています。インストラクターのうっちぃが、ダイビングのこと、海のこと、島のこと、大好きな音楽のこと、その他日常のもろもろ話をつづります。
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宮古島ツアー やっぱり、通り池

ゴールデンウイークの1日から6日まで、宮古島に行ってきました。
実はこの時期の宮古島は初めて。
風向きが安定しないので、下地島周辺まで行けるか心配でしたが、開けてみると結局、毎日大好きな下地の地形ポイントを潜ることができて、最高のゴールデンウイークでした。

ここ何年か、GW中に梅雨入りしていたので天気も心配でしたが、ダイビング時は曇り空が多かったものの、時々晴れ間ものぞき、雨にもほとんど降られず、久しぶりの宮古島を堪能してきました。

ダイビング最終日の通り池は、ここ何年か潜った通り池の中でも、一番神々しい通り池だった。

僕は個人的には、パワースポットとかスピリチュアルとかいう言葉はあまり好きではないのですが、そんな言葉を連呼する人が、通り池をしっかりと潜りこなすことができるダイバーだったら、世界でも有数のパワースポットになる場所です。
でもまあ、なって欲しくないけど・・・

通り池を知らない人のために、簡単に説明書いておきますね。

通り池は下地島にある、池の名前です。
国の名勝と天然記念物に制定されているそうです。

1の池、2の池があって、ふたつの池が水底付近でつながっています。
1の池は海ともつながっています。
水深は約50メートル。

海と池とは巨大なアーチを通って行き来します。
海水と淡水が混じり、潮の干満や太陽の入り方等によって、アーチをくぐるときに、毎日違った不思議なグラデーションを見ることができます。

アーチのトップでも水深25メートル以上、底は水深50メートルの世界。
幻想的な水の色に見とれていると、知らないうちに深場へと落ちて行きます。
アーチをくぐって池に出ると、突然水温も下がり視界も悪くなります。

コース的に池で一旦浮上して休憩するのですが、再度潜降しようとすると、透明度も悪く冷たい水のストレスからか、耳も抜けなくなり帰ることができないダイバーもたまにいます。
深いところを泳ぐので、エアの心配もあります。

そんなこともあって、宮古島の中でも中級ダイバー以上のポイントになっています。

ちょっと怖い話ですが、昔は貧しい人たちが、口減らしのために池に赤ん坊を投げ込んだと言われている、曰く付きの場所です。僕は陸からは通り池を眺めたことはありませんが、なんとなく不気味に見える池です。

他にも、通り池にはいくつかの伝説があります。

むかしむかし、通り池の近くで、お父さんとお母さん、男の子の3人が暮らしていました。
ある日、朝起きるとお母さんはいなくなっていました。
お父さんが悪いのか、お母さんが悪いのか、どっちが悪いのかは別として、よくある話です。

お父さんは寂しいので、別の女の人と結婚しました。
2人は仲良く暮らし、すぐにまた男の子が生まれました。

するとお母さんは、他人が産んだ子どもよりも自分が産んだ子どもの方がかわいくなり、弟ばかりかわいがっていました。兄弟の仲は良かったのですが、お兄ちゃんをこのままにしておくと、跡継ぎは他人の子どものお兄ちゃんになってしまう。

いろいろと考えた末に、お母さんは日が暮れる頃、子ども2人を通り池に連れていきました。
辺りがまっ暗になると、お母さんは通り池の淵に、子どもたちを寝かせました。

お兄ちゃんは、ツルツルとした岩の上。
弟は、ゴツゴツとした岩の上。
自分は釣りをしてくると言って、その場を離れました。

夜も更けた頃、お母さんが帰ってきました。
子どもたちはぐっすり寝ています。

お母さんはツルツルとした岩の上で寝ていたお兄ちゃんを、池へおもいっきり突き落とし、弟をおぶってまっ暗闇の中を、走って家に帰ろうとしました。
すると、背中でお兄ちゃんの声がしました。
「あの子、置いて帰ってもいいの?」

お母さんはわけがわからなくなって立ち止まると、お兄ちゃんが言いました。
「弟が、背中がゴツゴツして眠れないって言うから、場所を変わってやったんだよ」

お母さんは突き落とした自分の子どもを探しに、まっ暗な通り池に飛び込みましたが、2人とも二度と上がってきませんでした。

なんか、怖いですよね・・・
怖いついでにもうひとつ。

むかしむかし、今の1の池と2の池のあたりに2軒の漁師の家が建っていました。
ひとりの漁師が人魚を捕らえ、泣き叫ぶ人魚をふたつに切って、もうひとりの漁師にも与えて食べてしまいました。

すると泣き叫ぶ人魚の声が嵐を呼び、明和の大津波がこの地を襲い、何もかも流してしまいました。
その津波で漁師たちの家が建っていたところに、1の池と2の池ができました。

地元の人はそんな言い伝えもあるので、あまり池には近寄りたくないという人がけっこういます。
そのため、ずっと謎の池として崇められてきました。

写真ではうまく伝えられないので残念ですが、池から海を眺めるとこんな感じ。
このグラデーションが、僕は大好き。

宮古島ツアー やっぱり、通り池_d0115650_1917515.jpg


海から池に入るときは、こんな感じです。

宮古島ツアー やっぱり、通り池_d0115650_1925859.jpg


通り池に潜るたびに、水の色が変わります。
普通に目で見て潜るだけでも素晴らしいポイントですが、ある程度潜れるようになったら、心の目で潜ってみると、もっと海や自然の神秘を感じることができるようになります。

通り池に行きたい人、ぜひリクエストしてください。

by blumingo | 2013-05-09 21:08 | ダイビング | Comments(0)
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